有給休暇をとった21日の朝、午前3時すぎに家を出て尾瀬に向かった。この季節、尾瀬はキスゲの黄色い花が美しいという。車の向かう先は福島県檜枝岐村の御池(みいけ)駐車場。そこからシャトルバスに乗り換え、尾瀬沼への入口となる沼山峠駐車場までは20分の行程。御池−沼山峠間の乗車賃は片道530円で、乗客の集まり具合を見ながらおおよそ20〜30分間隔で運行されている。

沼山峠駐車場を出発したのは7時前で、30分ほど林間コースを歩くと黄色く視界が開ける。そこはキスゲの咲く大江湿原。

豊かな森に挟まれて黄色い花が広がる様は、今自分が日常から切り離されていることを実感させてくれる。平日だから人通りはさほど多くない。ゆっくりと非日常的光景を堪能できる。尾瀬を訪れるのは初めてだが、何度も訪れる尾瀬ファンが多いことに納得。
花を分けてのびる木道を30分進むと尾瀬沼に到着。ここは尾瀬で最大級の長蔵小屋や国民宿舎の尾瀬沼ヒュッテ、尾瀬沼ビジターセンターなどが集まる一大休憩ポイントであり、同時に沼山峠を出てから最初のトイレポイントでもある。ここは募金制の有料トイレ。場所柄、汚水処理に多大なコストを要するのだろうから、快く募金箱に百円を投入して利用する。
一休みした後は、尾瀬沼南岸に進路を取る。天候は曇りときどき雨。ラジオを聞いていると、東京では大雨で被害が出たようだが、こちらは降っても小雨だ。とはいえ、楽しみにしていた燧ヶ岳の姿を雲が閉ざしている。残念に思いながら木道を急ぐこと1時間で長蔵小屋の対岸、沼尻(ぬしり)休憩所。その間、ほとんどが樹林帯で景色に華やかさは無い。たまに咲いているアヤメの花が目の保養。
沼尻のトイレは1回200円のチケットを買って利用するようになっている。このためトイレタイムは取らず、少し休憩して先を急ぐ。尾瀬沼北岸に入り、再び大江湿原から長蔵小屋へ戻ると尾瀬沼を1周したことになるが、所要時間はおよそ2時間。天気さえ良ければ、もう少し景色を眺めながら歩いてみたい。
尾瀬沼ビジターセンターで尾瀬沼の四季紹介ビデオを見てから帰途につく。大江湿原から樹林帯に入るときには、帰るのが惜しくて思わず振り返る。標高差150メートルを越えて沼山峠に戻ると12時で、出発からの所要時間は5時間。適度な運動になるが、人の多い休日には木道でのすれ違いが大変で煩わしいかもしれない。
この時間帯、沼山峠の駐車場にはシャトルバスが6台以上集まっている。平日だというのに人出が多い。見ている前でも、新潟県の中学生の団体がバスから降りてきた。これから尾瀬沼に向かう団体が他にも出発準備中。そんななか、私たち夫婦は帰途につく。
沼山峠からシャトルバスで御池駐車場に戻り、檜枝岐村で昼食。村営「駒の湯」で入浴してから出発し、17時すぎには自宅へ戻る。雨にたたられがちではあったが、良い一日だった。